テーマ:地下構造物・精神世界
体に電撃が走る。そんな経験をした本である。
ふとした拍子にみつけた一冊。
まず、題名。
「地下世界をめぐる冒険・闇に隠れた人類史」
この言葉だけでよだれもの。小さいころの冒険ごっこの記憶がどこかよみがえってきた。冒険しかも地下世界。
もうひとつは、カバーコメント。書かれていた名前は、高野秀行。
早稲田大学在学中から冒険にはまり、世界の辺境地に取材をする冒険作家。近著にソマリランドの潜入記を書いていたのを覚えている。
そんな作家がコメントを寄せるのだから否がおうにも期待がふくらむ。
レジに走り、帰宅。すぐに読み始めた。
感想は・・・、想像以上だった。
取り上げられていたテーマは全部で9つに分かれる。
- ニューヨークの地下鉄
- パリの地下納骨室
- 地球内部の生物起源説
- アボリジアのトンネル
- トルコのカッパドギア
- 地下における自我の喪失
- ピレネー山脈の石像
- マーテンズ洞窟での時間喪失
- マヤの洞窟と儀式
ウィル・ハントが各エキスパートを訪ねて、現地を探索していく過程はまさにドキュメント番組そのもの。
地下といえば、デパ地下や地下室のような簡易なつくりを示していると思い込んでいた私にとって、驚きの連続でしかなかった。
これほどまでに、世界各国で地下世界に取り込まれる人々がいたとは・・・。
私がだらだら書くよりも、一読してみるのがはやい。
心地よい小旅行が楽しめる一冊でした。